便潜血検査と陽性の場合の原因と病気
カテゴリ:便潜血
便潜血とは
便潜血は名前通り、便の中に潜んでいる血液を調べます。
この検査により主に大腸ガンを発見出来ます。
便潜血が起こる理由
便に血が混じる事の多くは、消化管(大腸)や肛門付近からの出血により起こります。
それより上の臓器からの出血の場合、血はどす黒くタール状(タール便)になります。
検査方法
検便で採取された便から血液を検出する方法として、便中の人のヘモグロビンに反応する薬品を用いて検査する(免疫法)スクリーニング検査が一般的です。
※以前は、便中の血液成分の反応によって血液を検出する方法(化学法)が用いられていましたが現在の主流は免疫法です。
化学法は食事(食肉)などにより偽陽性になる場合があり、免疫法に比べて精度が低いためです。
採便方法
便の採取は、スティック状の採便棒で便の表面を何度か擦り、表面の便のみを採取します。
その理由として、大腸内の病変(ポリープ等)からの出血は、通常、擦れ合う便の表面に付着するためです。
また便の採りムラを無くするために、できるだけ便の広い範囲から採取する事が望まれます。
便の採取は、通常1日1回、合計2回採取します。
これを「2日法」と呼びます。
2回採取することで、偽陽性の判定になる確率を大きく低減できます。
なお、採便日から5日を過ぎると検査できません。
女性の場合
女性の方は、生理中は採便できません。
要2次検査(要精密検査)になった場合
内視鏡検査
陽性反応が出た場合は、通常は内視鏡検査による精密検査が必要です。
もし大腸にポリープが見つかった場合、それが悪性か良性かの見分けや、大腸内の出血ではなく、痔などによる出血の可能性もあるためです。
注腸X線検査
内視鏡検査だけではなく、注腸X線検査という方法も用いられることがあります。
この方法は、まず腸の動きを止めるために抗コリン薬を注射し、肛門からバリウム(造影剤)を注射し、更に空気を注入して大腸を膨らませた状態で、X線写真を撮ります。
原理としては胃のX線検査と同じです。
もし大腸内にポリープがあれば影になって写ります。
偽陰性について
偽陽性とは逆に偽陰性となる場合もあります。
たとえ大腸に癌が存在していても、必ずしも便潜血が見つかるとは限りません。
そのため、陰性であっても、毎年最低1回は、欠かさずに検査を受ける事が大切です。
また、4年目以降の進行癌は便検査では発見できないという報告もあります。
そのため、特に中高年の方は、便潜血が見つからなくても、数年に一度は内視鏡検査を受けた方がいいかもしれません。
この検査で分かる病気
- 大腸癌
- 胃癌
- 胃・十二指腸潰瘍
公開日時: 2014年06月16日 15:52:07