HbA1cの正常値(基準値)と高い場合の原因と病気

カテゴリ:糖代謝

HbA1cは直前の食事の影響を受けない平均血糖値

HbA1c(NGSP)は過去1~2ヶ月前からの平均血糖値を反映する糖尿病の指標です。 従って、直前の食事の影響を受けません

赤血球中にあるヘモグロビン(Hb)とブドウ糖が結合することでグリコヘモグロビンが生成されますが、その中で特に糖尿病と関係性が高い物質がヘモグロビンA(HbA)と結合したHbA1cです。
血中のブドウ糖濃度が高いほど多くの結合が発生し、HbA1cが高値になるため、血糖の指標になるのです。

HbA1cから過去2ヶ月の平均血糖が分かる理由

赤血球の寿命はおよそ120日であり、その間、身体中を巡りブドウ糖との結合を繰り返すため、最長で約4ヶ月前までの血糖度合いが分かります。

但しHbA1cには殆ど結合が行われていない、生まれたばかりの赤血球も含まれるため、平均値を取るために赤血球の寿命の半分である過去60日間(2ヶ月間)の血糖量の指標としているのです。

なお、赤血球の寿命の平均値を取るため、血糖値検査とは異なり、採血直前の食事の影響を受けません。
つまり検査の数日前から食事制限をしたりなど、短期的に血糖値を下げる努力をしても無意味です。

正常値(基準値)

NGSP:4.7~5.5 %

NGSP(National Glycohemoglobin Standardization Program)はHbA1cの国際標準値です。
日本独自の値であるJDS(Japan Diabetes Society)は2014年4月1日以降は用いられていません。

糖尿病の合併症を予防するための目標値は 7.0 % 未満とされています。
但し治療が困難な場合に限り目標値を 8.0 % 未満まで引き下げます。

なお、HbA1cの結果のみでは糖尿病の確定診断はできません。確定診断には血糖検査が必須となります。

平均血糖値とHbA1cの値に乖離がある場合、異常ヘモグロビン症などの疑いもあります。

溶血性貧血の場合

溶血性貧血は赤血球が破壊される事により引き起こされる貧血です。
溶血性貧血の患者は赤血球の寿命が短く、赤血球数が減少するため、赤血球と結合するブドウ糖も減り、実際には血糖値が高いにも関わらず、HbA1cの値が下がり、正しい血糖量が反映されません。
そのため赤血球数の値も踏まえた上でHbA1cの値を見る必要があります。

この検査で分かる病気

高い場合

  • 糖尿病
  • 腎不全(糖尿病腎症)
  • アルコール中毒
  • 膵臓癌

低い場合

  • 溶血性貧血

急激な上昇は膵臓癌のサインの可能性あり

暴飲暴食や食生活の変化など特に思い当たる原因もないのに短期間で値が上昇する場合は膵臓癌の疑いがあります。
膵臓のβ細胞は、ブドウ糖を様々な臓器に取り込ませる作用をするインスリンを分泌させる役目を持っていますが、このβ細胞が破壊されると1型糖尿病になります。
癌細胞はこのβ細胞の働きを阻害して同じ事が起こるため結果として糖尿病と同様に血糖値が上がるのです。
膵臓癌は早期発見が難しい癌ですが、このHbA1cの値の動きからある程度早期に膵臓癌を見つける事ができるようになってきています。

公開日時: 2014年08月27日  08:26:26

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