尿蛋白(MUPS)が陽性の場合の原因と病気

カテゴリ:腎尿路系

尿蛋白とは?

尿蛋白は腎臓や近位尿細管で吸収されず尿中に排泄されたタンパク質で、腎臓病などの腎疾患を見つけるのに役立ちます。
血液中のタンパク質(低分子量タンパク質)は腎臓で一旦濾過され尿中に排泄されますが、近位尿細管の上皮細胞(PTECs)で大部分が再吸収され、通常はごくわずかしか尿には排泄されません。
正常な尿蛋白の排泄量の目安は1日30~100mg未満です。
しかし、腎機能に障害があると尿細管での再吸収が阻害され尿中の濃度が高まり、陽性(+)となります。
タンパク質を高濃度に含んだ尿を特にタンパク尿と呼びます。
尿蛋白の検査は糖尿病性腎症や慢性糸球体腎炎などの腎障害の発見のためには最も重要な検査です。
特に臨床症状がほとんど現れない慢性糸球体腎炎を発見できる検査は尿蛋白検査しかありません。

尿中蛋白の種類による鑑別

尿中のタンパク質の種類は障害のある器官によって異なるため、タンパク質の種類で障害器官を鑑別することが可能です。
腎臓の糸球体の障害(糖尿病性腎症など)の場合アルブミン、尿細管の障害(慢性糸球体腎炎など)ではβ2-ミクログロブリンα1-ミクログロブリン、血中異常蛋白の場合はBence-Jones蛋白が増加します。

低分子量タンパク質とは

低分子量タンパク質は、低分子Gタンパク質低分子量GTPアーゼとも呼ばれ、分子量が低分子(20~25kDa)のタンパク質を指し、細胞の増殖や分化運動、脂質小胞の輸送などに関わるタンパク質です。

偽陽性の注意点

タンパク尿には病的なものとそうではないものがあり、何らかの疾患によるタンパク尿を病的タンパク尿として分類します。
しかし、生理中や運動後、入浴後、発熱時等にも陽性(偽陽性)になることがあり、このようなタンパク尿を生理的タンパク尿として分類します。
従って、タンパク尿であるというだけでは何らかの疾患があるか否かは判断できません。
偽陽性になるのを避けるためには、尿の採取前に激しい運動や、入浴は避け、発熱が無いことを確認の上、早朝尿を採取する事が望まれます。
通常は尿蛋白定量と尿中クレアチニン(Cr)の測定を行い、尿蛋白/クレアチニン比(g/gCr)を算出して補正します。

妊婦の場合

妊婦の場合は、特に妊娠後期になると赤ちゃんに多くの血液を供給するために、母体では多くの血液を産生します。
すると血液量が腎臓で吸収できる能力を超えてしまい、結果として吸収しきれなかったタンパク質が尿中に放出され蛋白尿となる場合があります。
なお、妊婦の蛋白尿は妊娠高血圧症候群(妊娠中毒症)の判断目安の1つになっています。
従って妊婦の場合は蛋白尿の場合、腎機能障害よりも妊娠高血圧症候群、つまり高血圧が疑われます

正常値(基準値)

尿蛋白の正常値は以下となり、軽度以上で陽性(+)となります。

評価
正常0.15g/gCr未満
軽度0.15~0.49g/gCr
高度0.50g/gCr以上

この検査で分かる病気

陽性の場合

  • 腎疾患
  • 発熱

公開日時: 2014年08月24日  00:10:28

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