クレアチニンの正常値(基準値)と高い場合の原因と病気

カテゴリ:腎尿路系

クレアチニンは腎臓の濾過能力を表す

クレアチニン(Creatinine:Cr)は主に筋肉で作られ、アミノ酸の一種であるクレアチンリン酸(Phosphocreatine)の代謝によって生成される老廃物であり、これは腎臓の糸球体で濾過され尿に放出されるため腎機能に反比例し、筋肉量に比例するという特徴があります。
このため、腎臓の糸球体に障害があると、十分に濾過できず高値になるため、腎機能の濾過能力に障害がある事が分かります。

また、18歳以上ではクレアチニンの値から推算糸球体濾過量(eGFR)を計算することができます。

クレアチンリン酸とクレアチンの関係

クレアチンリン酸は肝臓で合成されるリン酸化されたクレアチンであり、筋肉のエネルギー源の1つ(無酸素性エネルギー)として筋組織に運ばれます。
筋組織ではクレアチンキナーゼがクレアチンリン酸をエネルギーであるリン酸塩とクレアチンに分離しますがその際に老廃物であるクレアチニンが生成されます。
生成されたクレアチニンは腎臓に送られ、腎臓の糸球体(Glomerulus)で濾過され、殆ど他の臓器で吸収されずに尿に放出されます。
そのため、腎機能が低下すると体内にクレアチニンが増加し高値を示します。

逆にクレアチニンの値が低い場合は、筋肉での代謝量が少ないことを意味し、何らかの筋肉の異常(筋肉疾患)が考えられます。

腎障害以外でクレアチニンが上昇する場合

クレアチニン濃度の上昇は通常、腎機能の低下により起こりますが、妊娠時には、腎臓の濾過能力を超える血液量の増加によりクレアチニン濃度が上昇する場合があります。
一方、コーヒーや紅茶などの利尿作用のある飲み物は、クレアチニンを下げる効果があります。

また腎機能低下を調べる検査として尿素窒素(BUN)の検査もありますが、尿素窒素は食事によるタンパク質の摂取や下痢、発熱、運動などによっても上昇するため、それらの影響を受けないクレアチニン検査が主に実施されています。

正常値(基準値)

クレアチンは筋肉で作られるため、一般的に筋肉の多い男性の方が女性よりも高めの値になり、正常値も男女差があります。

男性:0.50~1.00 mg/dL

女性:0.40~0.70mg/dL

クレアチニンは腎機能が50%前後低下しないと異常値にはなりません。そのため異常値を示した場合、すでに腎機能障害が進行している可能性が高いと言えます。
慢性腎臓病の診断のためには推算糸球体濾過量(eGFR)の検査を行います。eGFRが60未満であれば慢性腎臓病(CKD)と診断されます。

この検査で分かる病気

高い場合

クレアチニンの値が高い場合、通常は腎疾患が疑われます。
腎疾患以外では、高熱が出た後や激しい運動をした後など、脱水症状(血液中の水分が失われる)の場合にもクレアチニン値は上昇します。

  • 慢性腎炎
  • 腎不全
  • 脱水症

低い場合

クレアチニンの値が低い場合、栄養不良や長期臥床など、何らかの理由による筋肉量の減少が疑われます。
そのため、寝たきり高齢者などの低値の場合の腎機能障害の鑑別には、筋肉量の影響を受けない血清シスタチンC濃度によるeGFRの計算も指標として用いられる場合があります。
※血清シスタチンC濃度検査は2005年10月に保険適用となりました。

  • 筋肉疾患
  • 栄養不良
  • サルコペニア
  • Protein Energy Wasting (PEW)
  • 長期臥床

公開日時: 2014年08月25日  22:42:28

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