ヘマトクリットの正常値(基準値)と高い場合の原因と病気

カテゴリ:血液系一般

ヘマトクリットは血液中の赤血球が占める割合

ヘマトクリットは血液中の赤血球が占める割合です。
ヘマトクリットの語源は古代ギリシャ語で血(blood)を意味する haima と判定(judge)を意味する krit?s から来ています。

ヘマトクリットはパック細胞容積(PCV)と呼ばれる容器に血液を入れ、5分間、11,000 ~ 12,000 RPM の遠心器にかけて、血液を分離します。
赤血球は容器に沈殿し層を作るため、この層の長さを容器全体の長さで割ることで赤血球の割合を算出します。

もちろん現在は専用の機器(ヘマトクリット計測器、自動血球計測器)で自動測定しています。

正常値(基準値)

38.5?48.9 %

正常値よりも高い場合

血球の割合が正常範囲よりも高い場合、脱水症や真性多血症、または肺の疾患などによる低酸素状態である事が考えられます。
低酸素状態は赤血球の増加を引き起こす事が知られており、それにより引き起こされる多血症を酸素欠乏性多血症と呼びます。
なお、赤血球数が過剰である場合は、血栓を作りやすくなり、心筋梗塞や脳梗塞などの危険性も高まります。
因みに、造血ホルモンのエリスロポエチンを使用したドーピングによっても赤血球数が増加しますが、エリスロポエチンは世界アンチドーピング機構(WADA)の禁止薬物として指定されています。

真性多血症

真性多血症は造血幹細胞の後天的な遺伝子異常により、赤血球数が異常に増殖する疾患です。
また、多くの場合、白血球も含め血球全体が増殖するのが特徴です。

原因

JAK2キナーゼ関連遺伝子の変異により発生するエリスロポエチン受容体の異常が原因であることが分かっています。
エリスロポエチンは赤血球の産生を制御するための造血ホルモンであり、エリスロポエチンは赤血球のエリスロポエチン受容体と結合して赤血球の産生促進を行います。
この受容体が異常を来すと、通常時よりも異常に多くの赤血球を産生することで多血症を引き起こします。
真性多血症を放置しておいた場合、血栓症や心不全を発症するため、平均寿命は18ヶ月程度です。

治療

真性多血症は遺伝子異常であるため、完治するための治療方法はありません。
一般的には抗がん剤や抗血小板剤による治療が行われます。
例えば抗がん剤のヒドロキシカルバミドは細胞の増殖を抑える働きがあります。
但し、ヒドロキシカルバミドは発がん性があるため長期の投与になると白血病などへの注意も必要になります。

デング熱

デング熱を発症した場合も、白血球数(主に血小板)が低下するために、相対的に赤血球の割合が高くなる可能性があります。
血小板が減少するため、重症化すると出血が止まりにくくなります。
もし、デング熱を発症している場合、デング出血熱やデングショック症候群の危険性が高まります。
デング熱は蚊(ネッタイシマカ)が媒介するデングウイルスに感染することで引き起こされ、特に熱帯や亜熱帯地域に訪れた場合に感染する可能性があります。
ちなみにデングウイルスにはワクチンは無く、対処療法での治療になります。

正常値よりも低い場合

血球の割合が正常範囲よりも低い場合、貧血の可能性があります。
なお、妊婦の方は、胎児への血液の供給のために一般的にヘマトクリット値は低下します。

この検査で分かる病気

高い場合

  • 脱水症
  • 真性多血症

低い場合

  • 貧血
  • 失血

公開日時: 2014年08月19日  23:37:47

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