中性脂肪の正常値(基準値)と高い場合の原因と病気

カテゴリ:血液脂質

中性脂肪とは

中性脂肪は、食事により小腸から吸収された脂肪成分のひとつです。
その成分の殆どは一般的な動物性脂肪のトリグリセライド(トリアシルグリセロール)(略語はTGまたはTAG)であり、不飽和脂肪酸を多く含むため、植物性脂肪に比べて融点が高く、常温では固体の脂質です。
このトリグリセライドはグリセロールに3分子のパルミチン酸(パルミトイル基)がエステル結合したものです。
更に、トリグリセライドが脂肪酸とクリセリンと結びついたものが中性脂肪となります。
上述したように、中性脂肪の殆どはトリグリセライドであるため、中性脂肪の事をトリグリセライドやTG、TAGと呼びます。

中性脂肪とコレステロールの違い

中性脂肪は同じ脂質でも、コレステロールが細胞膜の構築や修復、ステロイドホルモンの合成の原料になるのに対し、中性脂肪はエネルギー源の役割を持っており、主に肝臓や脂肪細胞に蓄えられます。

例えば飢餓状態になると、脂肪細胞中の中性脂肪が遊離脂肪酸とグリセロールに分解され、血液中に放出されエネルギーとして使われます。
遊離脂肪酸は上述のように中性脂肪が分解された脂肪です。具体的には中性脂肪(トリグリセライド)のホルモン感受性リパーゼにより加水分解されます。
例えば20分程度の運動で血中に放出されます。
従って、中性脂肪も人間の生命維持のためには必須となる物質になります。
※遊離脂肪酸は再び細胞に取り込まれれば、中性脂肪に再合成され貯蔵されます。

中性脂肪が増えすぎた場合の状態

中性脂肪も増えすぎると高トリグリセライド血症(高中性脂肪血症、高TG血症)となり、高コレステロール血症と同様に様々な疾患を引き起こします。
また、中性脂肪が多い場合、善玉コレステロールであるHDLコレステロールが減少します。
従って、中性脂肪が多ければ、HDLコレステロールが減り、それによりLDLコレステロールが増えるという悪循環が起こります。
更に、中性脂肪自体は血管壁に沈着しませんが、中性脂肪が多いと小粒LDLコレステロールができやすい事が分かっており、小粒のLDLは血管壁に沈着しやすいため、動脈硬化を誘引します。

メタボリックシンドロームの脂質異常の判断基準はHDLコレステロール(善玉)と中性脂肪であることからも、最近はLDLコレステロール(悪玉)や総コレステロールよりも中性脂肪が重視されていることが分かります。

中性脂肪と肥満との関係

中性脂肪を溜めておく細胞である脂肪細胞は、中性脂肪が増え飽和状態になると分裂して新たな脂肪細胞を作ります。
しかし肥満が進めば脂肪細胞は一定以上は分裂されなくなり、脂肪細胞自体が肥大化していきます。
脂肪細胞の肥大化が進めば元に戻るのが困難になり、慢性的な肥満になる可能性があります。

高トリグリセライド血症(高TG血症)

血中の中性脂肪が正常範囲(150mg/dL以上)よりも多い症状を高トリグリセライド血症と呼びます。

正常値(基準値)

中性脂肪の正常範囲は以下となります。

30?149mg/dL

脂質異常症のガイドラインは以下の表のとおりです。

脂質の種類 脂質異常のしきい値 該当する血症名
LDLコレステロール 140mg/dL以上 高LDLコレステロール血症
LDLコレステロール 120~139mg/dL 境界域 高LDLコレステロール血症
HDLコレステロール 40mg/dL未満 低HDLコレステロール血症
中性脂肪 150mg/dL以上 高トリグリセライド血症

2014/04/05 追記
なお、中性脂肪の正常範囲の上限値について、人間ドック学会は、男性は198までに緩和すべきであると発表しました。

中性脂肪を多く含む食品

中性脂肪は動物性脂肪に多く含まれます。
また、砂糖は脂質よりも中性脂肪にかわりやすい性質を持っており、砂糖も中性脂肪増加の原因になります。
従って、動物性脂肪と砂糖を控えることが高トリグリセライド血症の予防方法となります。

また、高コレステロール血症と同様に、適度な有酸素運動も脂肪燃焼のために効果的です。

中性脂肪が正常範囲外の場合に気をつける病気

高い場合

  • 動脈硬化
  • 脂肪肝
  • 家族性高HDLコレステロール血症(家族性高脂血症)
  • 糖尿病
  • アルコール肝障害

低い場合

  • 栄養不良
  • 悪液質

公開日時: 2014年03月23日  17:08:19

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