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健康診断の検査項目の意味と結果から分かる病気の一覧
健康診断の結果をもらっても特に異常な数値がでなければ、あまり細かいところまで注意して確認しない場合もありますが、せっかく健康診断を受けたのにこれはちょっともったいないですね。
結果を基に、悪くなりつつある項目の数値の意味を知り、罹患する恐れのある病気を予防する事こそが、後々大切になってきます。
以下の表を基に今の自分の健康状態や何らかの病気の予備軍ではないかを確かめ、病気を意識した生活習慣を心がけるきっかけにしましょう。
検査項目 | 正常参考値 | 検査の解説 | 疑われる病気 |
---|---|---|---|
【身体計測】 | |||
身長 | |||
体重 | |||
肥満度 | -15.0〜+15.0 % | 肥満度(%) = (実測体重 - 標準体重) ÷ 標準体重 × 100 | |
BMI | 18.5〜24.9 | BMI = 体重(kg) ÷ 身長(m) ÷ 身長(m) で肥満の程度を示し、22が標準です。この数値になる体重が標準体重です。 | |
標準体重 | 標準体重(kg) = 身長(m) × 身長(m) × 22 | ||
腹囲 | 0〜84.9 cm | おなか周りの最も細い部分ではなく、おへその位置で測定します。内臓脂肪がどの程度蓄積しているのか目安になります。 | 男 :85cm 未満、女 :90cm 未満でメタボリックシンドローム非該当。 |
【視力】 | |||
遠視力 裸眼 右/左 | 0.7〜 | ||
遠視力 矯正 右/左 | 0.7〜 | ||
【聴力】 | |||
聴力AD1000Hz 右/左 | |||
聴力AD4000Hz 右/左 | |||
【呼吸器】 | |||
胸部X線撮影 | 肺、胸膜、心臓などの状態を調べます。 | 肺炎、肺結核、肺癌など | |
【血圧】 | |||
血圧初測 | 90〜129/0〜84 mmHg | 心臓から血液を全身に送り出す圧力です。心臓が収縮して血液を押し出すときの圧力を収縮期(最高)血圧といい、逆に心臓が拡張して血液が元へ戻ったときの圧力を拡張期(最低)血圧といいます。 | 高い場合:動脈硬化、脳卒中、虚血性心疾患 |
【心臓系】 | |||
心電図(安静時) | 心臓の筋肉が収縮したりするときに流れる、ごくわずかな電気を記録し波形に表したものです。 | 心肥大、心筋梗塞、心筋症、不整脈など | |
【血液脂質】 | |||
HDLコレステロール | 40〜99 mg/dL | 血管壁や細胞内から、蓄積したコレステロールを取り除いて動脈硬化を予防してくれる善玉のコレステロールです。 | 高い場合:家族性高HDLコレステロール血症(家族性高脂血症)、アルコール過多 低い場合、動脈硬化 |
LDLコレステロール | 60〜119 mg/dL | 比重の低いリボ蛋白コレステロール。いわゆる悪玉のコレステロール。 | 高い場合:動脈硬化、高脂血症 |
中性脂肪 | 30〜149 mg/dL | 体の中で、主にエネルギー源として使われます。過剰になると、動脈硬化を始め生活習慣病の原因となります。 | 高い場合:動脈硬化、家族性高HDLコレステロール血症(家族性高脂血症)、糖尿病 低い場合、栄養不良、悪液質 |
【消化器系(上部消化管)】 | |||
胃部X線撮影 | 食道、胃、十二指腸の状態を調べます。 | 胃(十二指腸)潰瘍、胃癌など | |
【便潜血】 | |||
便潜血 | 大腸や胃からの出血の有無を調べます。ヒトの血液のみ反応する方法で行っていますので食事の影響はありません。 | 大腸癌、胃癌、胃・十二指腸潰瘍 | |
【血液系一般】 | |||
白血球数 | 3200〜8599 /μL | 病原体の侵入から体を防御したり、免疫性を作る働きをします。体質的に多い人、少ない人もいます。 | 多い場合:白血病、多血症 少ない場合:ウイルス感染症、慢性肝炎 |
赤血球数 | 400〜539 万/μL | 肺から体の隅々の細胞に酸素を送り、二酸化炭素を運び出す働きをします。 | 多い場合:脱水症、多血症 少ない場合:貧血 |
ヘモグロビン(血色素量) | 13.1〜16.6 g/dL | 赤血球の中の鉄と蛋白が結合した色素で酸素を運ぶ働きをします。 | 少ない場合:貧血 |
ヘマトクリット | 38.5〜48.9 % | 血液中の赤血球が占める割合です。 | 高い場合:脱水症、真性多血症 低い場合:貧血、失血 |
【肝・膵機能】 | |||
GOT(AST) | 1〜30 IU/L | 主に肝臓に含まれている酵素で、肝細胞が破壊されると血液中にもれて高値となります。GOTは他に心筋障害、筋肉疾患でも高値を示します。 | 高い場合:肝炎、心筋梗塞 |
GPT(ALT) | 1〜30 IU/L | 主に肝臓に含まれている酵素で、肝細胞が破壊されると血液中にもれて高値となります。 | 高い場合:肝炎、胆道疾患 |
γ-GTP | 1〜50 IU/L | 肝疾患、胆道疾患で上昇します。特にアルコール常飲者では高値を示すのが特徴です。 | 高い場合:アルコール性肝障害、慢性肝炎、閉塞性黄疸 |
【腎尿路系】 | |||
尿蛋白・定性 | 腎臓に異常があると(+)になりますが、生理中や運動後に(+)になることもあります。 | 腎疾患、発熱 | |
尿潜血 | 腎臓、尿管、膀胱など尿が通る臓器に異常があると陽性になります。 | 腎癌、腎炎、尿路結石、膀胱腫瘍など | |
クレアチニン | 0.01〜1.00 mg/dL | 腎臓から尿中に排泄されます。腎機能が低下すると体内に増加し高値を示します。 | 慢性肝炎、腎不全、脱水症 |
【尿酸代謝】 | |||
尿酸 | 2.1〜7.0 mg/dL | 痛風の原因物質で、長期にわたって高値が続くと足の関節等に痛みを感じ、腎結石、動脈硬化の原因物質となります。 | 高い場合:痛風、痛風腎 |
【糖代謝】 | |||
尿糖・定性 | 糖尿病のスクリーニング検査です。尿中のブドウ糖の量が基準値を超えているかどうかが陰性(-)、陽性(+)で表されます。 | ||
血糖 | 70〜99 mg/dL | 血液中のブドウ糖のことです。糖尿病の診断指標になります。 | 高い場合:糖尿病 低い場合、低血糖 |
HbA1c(NGSP) | 0.1〜5.5 % | 過去1、2ヶ月前平均の血糖値を反映する糖尿病の指標です。直前の食事の影響を受けません。 | 高い場合:糖尿病、腎不全、アルコール中毒 低い場合、溶血性貧血 |
診療所見 | 医師による検診です。特に問題がなければ「異常なし」となります。 |